一言で「足場」と言っても様々な種類があります。作業の現場においては、状況に合わせた足場の設置が求められますから、足場の種類を把握することは大切です。
では実際の現場ではどんな足場が使われているのでしょうか?足場の種類についてそれぞれ解説していきます。また足場に使われる部材についても併せて紹介します。
足場の設置方法は様々で、種類も複数に分かれます。作業スペースが広い場合や狭い場合など、状況に応じて使い分けることになります。そのため足場の種類を知らないと、適切な足場を組むこともできません。ちなみに、足場のことを仮設足場とも言うのですが、仮設とは文字通り仮に設置する物のことです。
足場は基本的に作業をスムーズに行うため一時的に設置されますので、仮設という言葉が使われています。
足場といえば仮設足場のことを指していると考えれば問題ありません。
足場は組み方の種類ごとにそれぞれ名称が決まっています。
まずはその名称を紹介します。
★くさび式足場
★枠組み足場
★単管足場
★吊り足場
★先行足場
★移動式足場
これらが主な足場の名称です。
それぞれ特徴が違いますので、名称だけでなく特徴も理解することが大切です。たとえば「くさび式足場」は住宅建築に使われることが多く、組立・解体が簡単です。枠組足場はもっとも一般的な足場とされていて、信頼性の高さが特徴ですが、コストも高くなるという欠点も持っています。
「単管足場」は、いわゆる鉄パイプを組み合わせて足場とするもので、比較的小規模な現場で用いられます。
「吊り足場」は足場を吊り下げる方法で、通常の方法では足場を組めない時に、上から足場を吊るすことで足場を確保します。
「先行足場」は、足場の設置前に手すりを設置する方法で、安全性を高めることが可能です。
最後の「移動式足場」は足場にキャスターが付けられていて、キャスターを利用して足場そのものを移動させられます。
このようにそれぞれ特徴があることも覚えておきましょう。
ビケ足場という言葉をよく使います。これはある足場を指しているのですが、その足場とはくさび式足場のことです。
ビケ足場というのは、ある企業が開発したくさび式足場のブランド名のことで、今ではくさび式足場の総称としても使われるくらい定着しました。そのためビケ足場といえばくさび式足場のことだと考えれば問題ありません。
単管足場は、単管足場の中でも2つの種類に分かれています。
1つは二側足場と呼ばれるもので、2本の支柱の間に板を並べて足場としたものです。私達がよく見る足場の1つで、足場と言われてイメージするものはこの二側足場のことが多いでしょう。
もう1つは、1本の支柱から腕木と呼ばれるものを出し、そこに板を並べた足場です。支柱が1本なので一側足場と呼ばれます。
単管足場の場合、この二側足場か一側足場のどちらを利用するかも検討しなければなりません。
足場は複数の部材で構成されています。たとえば支柱を使うことで足場を組み立てていきます。また、足場を移動するためには、足場板・踏板と呼ばれる板状の部材も欠かせません。
この他にも支柱の揺れを防ぐために「ブレス」と呼ばれる部材が使われたり、垂直材と水平材を固定するために方杖が使われたりします。一側足場の組立にはブラケットが使われ、落下防止には手すりが使われます。こうした部材も足場には必要不可欠で、作業効率を向上させ、安全性も高めてくれます。
足場板には長さが固定されている定尺型と、長さの調整が可能な伸縮型の2種類があります。
定尺型の場合、長さの調整ができないため、伸縮型の方が使い勝手は良いと言えます。ですが、必ずしも長さの調整が必要とは限らないので、コスト面なども含めてどちらが適しているかを判断する必要があります。
ブラケットは支柱に取り付け、足場板を設置する時などに利用します。たとえば伸縮ブラケットは伸縮性があり、伸び縮みさせて長さの調整が可能です。
折りたたみ式のブラケットは折りたたむことでコンパクトになり、収納性が向上します。また、ネットを設置する際にはネットブラケットと呼ばれる、ネット設置のためのブラケットが利用されます。用途に応じてブラケットの種類を使い分けることになります。
足場の作業で使われるシートには、1類と2類の2タイプがあります。
1類は重量4.8キロの足場用銅管を、4メートルの高さから落下させても貫通しない強度を持っています。
2類は重量2.7キロの足場用銅管を、3メートルの高さから落下させても貫通しない強度を持っています。
つまり1類の方が強度は高いわけです。
現場の状況に合わせて、1類か2類かどちからのシートを設置しましょう。
足場は組み方にも複数の種類があり、どう組むかで特徴が変わってきます。現場に最適な足場を組むことが、作業効率を向上させ安全性を保つことにつながります。そのためにも、足場の種類を正しく理解しなければなりません。また、足場は様々な部材で構成されているので、各部材も適切な物を選ぶことが重要です。
足場板は伸縮できた方が良いのか、シートの耐久性はどうするかなど、足場全体の性能をチェックしましょう。そうすれば適切な足場を組むことが可能になります。
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