住宅の外壁を板張りにすると、家全体を温かみのある雰囲気にできます。実際に古民家など古い建物は板張りが一般的で、歴史的価値の高い神社仏閣なども板張りになっています。外壁とは風雨にさらされる部分であり、そこに板を使用するのは耐久面で不安という方もいるでしょう。そこで重要になるのがメンテナンスや表面加工ということになります。
年中風雨や紫外線を受け続ける外壁に板張りを使用すると、その耐久性に疑問を持つ方も多いかと思います。しかし元来住宅とは木材で建築するものでした。何百年も前に建立された神社仏閣が、今でも建物として機能しているわけですから、外壁を板張りにすると耐久性が下がると断言できるものではありません。
ただし、やはり木材ということもあり、板張りにする以上はそれなりにメンテナンスが必要になります。メンテナンスさえしっかりすれば、板張りでも長く使えるのは間違いありません。
現代の建築工法において、外壁を板張りにするメリットは、建物の雰囲気、美観の点をおいてほかにないといっていいでしょう。板張りの家には、ほかの建材では出せない温かみや風合いがあり、それを好まれる方は少なくありません。
板張りの外壁は長期間利用すると、表面の色合いなどが変色してきます。しかしほかの建材と違い、変色した木材は汚く見えることは少なく、むしろいい色合いになったという印象を与えるものです。
長く住むことにより、家が自然に変化していく様は板張り外壁の持つ最大の特徴かもしれません。
建材に木材を利用する際、「木は呼吸する」などといわれることを聞いたことはないでしょうか?もちろん建材に使われる木材は加工品ですから、木材が実際に呼吸をすることはありません。
しかし木には湿気を吸い取る、吐き出すという効果があります。周囲の湿度が高く、木材自体が乾燥していれば湿気を吸収しますし、反対であれば湿気を放出します。湿気を吸収すると木材は膨張し、放出すると縮小します。この膨張と縮小がまるで呼吸をしているように見えるわけです。
そのため、お部屋の内壁や床に木材を利用するケースは少なくありません。お部屋の中の湿度調整を、壁や床が勝手にしてくれるわけですから非常に適した建材といえるでしょう。ただし外壁に使用する場合、この呼吸はあまり意味を成しません。むしろ湿気を吸収しないほうが、木材は傷みにくいはずです。
木材の調湿効果は、内壁であれば意味はありますが、外壁においてはメリットとはならないと覚えておきましょう。
板張りの外壁が変色するのは味があると書きましたが、変色と劣化は似て非なるものです。劣化は水分を吸収しすぎる、変形が大きく亀裂が入るなど、外壁としての機能面で問題が生じることを指します。
外壁を板張りにする際の注意点は、劣化をさせずに変色をさせることといってもいいでしょう。
外壁を板張りにする場合、とくに塗装には神経を使うことをおすすめします。使用した板を長期間美しく残せるかどうかは、塗装による保護が非常に重要になるからです。板張り外壁の塗装には主に2パターン考えられます。
一つ目は木材の内部に浸透するタイプの塗料です。浸透タイプの塗料を使用するメリットは、木材の木目を残したまま保護できることです。外壁を板張りにした方は、その木目も含めてデザインを気に入っている方がほとんどとなっています。そんな木目を生かせる浸透タイプの塗料は、美観を損ねず保護できる塗料といえます。
浸透タイプの塗料を使用する際のデメリットが、外からの影響に弱いことです。内部に塗料が浸透しますので、カビ対策などには強い浸透タイプ塗料ですが、表面を保護できないので、板張り表面に付く汚れや水分、コケなどには弱いというデメリットが考えられます。
板張りの表面を覆ってくれる塗料の場合、外からの影響に強いという特徴があります。水分や汚れなどに強く、木材自体を守ってくれる塗料です。ただし表面を保護するので、木目が消えてしまうケースが多くなります。木目を含めて雰囲気を気に入っている方にはあまりおすすめできない塗料といえるでしょう。
また、表面に塗るタイプは、ひび割れや剥がれが起きやすいというデメリットもあります。表面に塗料を塗っても、木材は呼吸を行い伸縮を繰り返します。その影響で乾燥した塗料が割れてしまったり、剥がれてしまったりするケースも少なくありません。
色の変化を楽しむといっても、劣化してしまっては意味がありません。塗装の効果もほかの建材と比較すると短いため、3年程度をめどに定期的にメンテナンスを行うことが重要です。
板張りの外壁に関しては、その風合いが人気ではあるものの、定期的なメンテナンスが必要になります。また、ほかの建材と比較しても非常にデリケートな建材であるため、より高度な知識と豊富な経験が求められるでしょう。
「株式会社成心仮設」では、こうした板張りの外壁塗装にも多くの経験を持っています。どのような木材が使用されているか、日当たりの状況はどうか、現状の劣化具合はどうかなど、細かな部分までチェックし、現状に最も効果的な塗装をご提案させていただきます。
浸透タイプの塗料を使用するか、表面に塗るタイプにするか、表面に塗るタイプの場合、木目を生かせる透明な塗料にするか、ひび割れを起こしにくい弾性の高い塗料を使用するかなど、総合的に判断しご提案させていただきます。
もちろん第一に考えるのはお客様の希望です。暖かい木目を気に入っているお客様に対し、木目が消えるような塗料をいきなり使用することはありません。まずは外壁の状況を説明し、使用する塗料、塗り方などもお客様と相談しながら決めていきます。
家の外壁が気になるという方は、まずは一度お電話ください。親切丁寧にご説明させていただきます。
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