雨漏りといえば、屋根だけから発生すると思っている人も少なくないことでしょう。しかし雨漏りは外壁からも発生する可能性があるのです。屋根と同じように外壁もまた年月を経ることによってひび割れたり、塗膜が剥がれたりして劣化していきます。水はそうした劣化部分から建物に侵入し、結果外壁からでも雨漏りが発生してしまうのです。今回は外壁から雨漏りが起こってしまう原因や、その対策について解説します。
雨漏りとは屋根や天井・外壁、換気口など、建物を構成するさまざまな場所から雨水が侵入する現象のことです。雨水が室内に侵入する経路として考えられる窓や玄関、換気口において雨仕舞(雨が入らないようにする施工)をきちんと行っていないと、そこから雨水が浸入する場合があります。しかし場合によっては、建物の外壁から雨漏りが起こってしまう場合もあるのです。
通常外壁というのは外壁材を使って質を強化し、さらに「外壁塗装」を重ねて行うことで、長期的な耐久性を高めているものです。とくに外壁塗装は最終的な仕上げとして、非常に重要な意味をもっています。外壁材の表面にさらに「塗膜」と呼ばれる塗料の膜を形成・吸着させることで、強度・耐候性・断熱性などさまざまな耐性を高めているのです。とくに「防水性」に関しては建物の要ともいえる重要な性能なので、外壁塗装によっても防水性は非常に強化されます。
もし仮に新築住宅にもかかわらず外壁から雨漏りが起こってしまった場合には、「施工不良」が考えられます。新築住宅の施工の際完璧に外壁塗装の施工を終えていれば、新築から少なくとも3年ほど雨漏りは決して起こらないことでしょう。外壁そのものの施工不良もありえますが、注意すべきなのは「換気扇ダクト」・「太陽光パネル」などの設置の際、壁に穴をあけることで雨漏りが発生する場合もあることです。
外壁そのものの質がよくても、こうした工程が原因となって雨水の侵入口を意図せず作ってしまうこともあります。施工の際は一見別々にみえるさまざまな作業に対して、細かく気を配らなければなりません。また施主として確認する際にも、そうした部分の施工状況はしっかりチェックしておくべきでしょう。
外壁施工および塗装がきちんと行われていれば、少なくとも新築から3年間は雨漏りなどの不具合は起きないといわれています。しかし塗装も外壁そのものも、長期的な目線に立てば完全完璧ではありません。世のなかのあらゆるものは劣化を避けられないように、外壁も塗装も年月を経るごとに性能を落としていきます。
外壁の劣化の主たるものは「ひび割れ(クラック)」で、これはモルタル壁やコンクリート壁などを外壁材としている場合に起きやすい劣化です。また塗装の強度を担保している「塗膜」も、経年劣化によって剥がれ落ち、塗装部分の耐久性が大きく落ちてしまいます。それが原因で防水性が落ち、水が染み込みやすくなってしまうのです。
金属サイディングによる外壁施工が行われている場合には、塗膜が剥がれた金属部分が雨水に晒されることで、錆が出ることもあります。やがては錆びた部分が腐食されて穴が開いてしまい、そこから水が浸入してしまうのです。
外壁の劣化によって起こる雨漏りは、一見大したことがないようにみえますが、建物にとっては致命的な不具合といえます。なぜならば雨漏りを放置しておくと、建物の基礎部分を腐らせることにつながってしまうのです。
建物にとって最も大事なのは、ある意味では「防水」といってよいかもしれません。日本の住宅では、基礎部分は木材でできていることが多くなっています。そのため木材の基礎部分に水が侵食すると、木材に水が染み込みやがては腐ってしまうことになり、基礎部分がもろく崩れやすくなってしまうのです。
また、たとえ基礎部分が鉄筋など金属であったとしても、水は金属を錆びさせてしまいます。そして錆びた金属は腐食といって木材と同じように水によってもろくなり、鉄筋もまた折れやすくなってしまうのです。つまり防水は建物全体を守るために必須となる、重要な機能といえます。外壁の役割も耐候性や断熱性よりもむしろ、防水の役割のほうが大きいといってもよいのです。
雨漏りはすなわち、建物内部への水の侵入を完全に許してしまっている状態となります。そのため建物の寿命を大きく縮めてしまう、極めて重大な危険をはらんでいるのです。家を長く保ちたいなら、所詮雨漏りと捨ておいて放置することなく、すぐに補修しないといけません。
雨漏りには屋根部からのもの、開口部からのものもありますが、外壁からの雨漏りも少なからず起きる可能性があります。こうした外壁からの雨漏りが起きてしまった場合、すぐにやるべき対処が「外壁塗装リフォーム」です。
外壁塗装リフォームとは、外壁の劣化にかかるさまざまな補修や施工のしなおしを総称するものです。もし外壁の劣化によって雨漏りが起きていることに気づいた場合には、すぐに業者を呼んで状態をみてもらう必要があります。ひび割れの有無・塗膜の剥がれ具合、シーリング材の劣化状況などみてもらうべき箇所は数多くあります。そして要因を特定してから、どの程度リフォームするかを業者と打ちあわせましょう。
場合によっては簡単なひび割れ補修のみで十分なこともあり、また外壁の重ね張りや張替えなど大規模なリフォームに発展する場合もあります。ひび割れ補修やシーリング材の補修の場合は5万円程度と比較的安く済みますが、外壁塗装の塗り替えをともなう場合は一気に価格が跳ねあがり、場合によっては100万円以上かかることもあるのです。張替えになると200万円以上かかることも、ざらにあります。
相場が高いからといって、雨漏り補修1万円など格安の業者に任せてはいけません。そうした格安の場合は補修ではなく、「応急措置」で済まされてしまう可能性が高くなっています。応急措置は補修ではないので長期的な効果は期待できず、結局すぐにまたひび割れなどの状態が復活してしまうのです。外壁塗装リフォームを行う場合は、安すぎる業者には警戒しましょう。
今回は壁から雨漏りが起きてしまう原因や、外壁塗装リフォームでの対処について解説しました。外壁はあらゆる外的要因から建物を守り、塗装を施すことで見た目も美しく保ってくれます。住宅など建物は人間の生活に欠かせないもののため、長く使っていくためにも外壁の劣化や雨漏りに対しては、最大限に警戒心をもちましょう。
埼玉・東京・神奈川エリアで足場工事や塗装工事を請け負っている「株式会社成心仮設」では、丁寧かつ確実な塗装工事を行っています。もともと足場工事が専門であったこともあり、塗装工事においても重要な足場組み・足場撤去の作業を、迅速かつ安全に行えます。
外壁からの雨漏りにお悩みの方は、ぜひ一度弊社までお気軽にご相談ください。
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