足場は文字通り足を置く場所のことですが、戸建て住宅の塗装工事やリフォームなどを行う時に必須です。特に高所においては、作業員が安全に作業するために欠かせないものです。足場といってもその種類はさまざまですから、工事の内容や作業場所によって適切な足場を設けなければなりません。
ここでは、戸建て住宅における足場の必要性について詳しくご説明いたします。また、足場の種類や足場費用の相場、足場費用が高くなるケース・ならないケース、注意点やトラブルなどについてもまとめていきます。
戸建て住宅の外壁塗装工事や屋根のリフォームなどを行う際、足場の設置が必要です。では、そもそもなぜ足場がなければならないのでしょうか。戸建て住宅における足場の必要性を正しく理解しておきましょう。
第一に、作業員の安全を確保するという目的があります。外壁塗装や屋根修理の作業では、足場の代わりに、はしごや脚立が用いられることもあります。しかし、はしごや脚立での作業は足場に比べて安全性に劣ります。足場を組む手間や費用は抑えられますが、危険を伴うためおすすめできません。重量のある塗料などを持ちながらの作業は高リスクです。厚生労働省の「労働安全衛生規則」でも、高さ2m以上の作業場所には足場を設けるように定められています。
※引用:労働安全衛生規則 第二編 第十章 通路、足場等(第五百四十条-第五百七十五条)
足場を設けて作業をすることは、作業効率の向上やサービス品質の維持に繋がります。はしごや脚立では姿勢が傾くなど十分な安定性を得られず、塗装にムラができてしまう恐れがあります。足場があれば塗装や修理を正確に行うことが可能になり、作業員の能力を最大限に発揮できるでしょう。
足場なしで作業を行うと、塗料が飛散するなどで近隣住民からのクレームの対象になります。その場合、業者の過失とみなされ、損害保険が下りないため、実費で補償しなければなりません。足場を組むことで飛散防止ネットを設置することが可能になり、塗料の飛散による事故を防止することができます。
足場は大きく分けて3種類あります。特徴やメリットをご紹介していきます。
「ビケ足場」とも呼ばれており、戸建て住宅において普及率が高い足場になります。支柱となる鋼管には緊結部があり、等間隔に手摺材や水平材、斜材などをくさびで緊結していき足場を組みます。足を乗せる板(床付き布枠)は幅が広いため、安定して作業が行えます。全ての部材がユニット化されており、軽量でシンプルなため、経験の浅い作業員でもハンマー1本で組み立て・解体できるのがメリットです。また、敷地面積や地形、建物の形状を問わず組み替え作業が可能です。
「パイプ足場」とも呼ばれるように、直径48.6㎜の鉄パイプを組んで設置する足場です。パイプとパイプをクランプという緊結金具で繋ぐ方法を用いるため、足場の形状を自由自在に変えることができます。小規模な工事や狭いスペースでの作業に利用されるケースが多いです。工事現場や資材置き場を囲う「仮囲い」としての用途もあります。
「吊り足場」と呼ばれるように、上から吊り下げる形で設置する足場です。川や山などの複雑な地形で地面に足場を組めない場合にも対応できるため、歩道橋や橋の建設工事、補修工事に用いられています。組み立ての難易度が高く、「足場の組立て等作業主任者」の配置が必要となります。
戸建て住宅の工事において、足場が無料になることはありません。そのため、足場費用も計算に入れて外壁塗装やリフォームの予算を考えなければなりません。ここでは、足場費用の相場や費用が高くなるケースやならないケースについてご説明します。
足場費用は外壁塗装工事費の20%程度を占めると考えられています。1㎡あたり600円~1,000円程度が相場で、一般的な戸建て住宅ならば、足場費用は20万円を目安にしておくといいでしょう。
足場費用が高くなるのは、「足場を運搬しなければならないケース」が基本となります。例えば、3階建ての高層タイプや勾配のある場所に建つ戸建て住宅の場合などが該当します。また、道路が狭くてトラックが入れない場合、高台にある家の掘り込み式車庫をリフォームする場合なども、通常より足場費用が高くなることがあります。ただし、工期遅延が原因で足場費用が高くなることはないので安心してください。
足場が相場よりも過剰に安い場合は少し注意が必要です。足場の組み立てには時間も人件費もかかりますから、相場より大幅に値下げを行うことはまずありえません。そのため、安すぎる足場は手抜き工事の恐れがあるため、慎重になるべきです。時間や人件費を削って足場の組み立てを行うと、雨樋を破損してしまうなどのトラブルが発生するリスクが高まります。外壁や車を傷つけてしまうなど万が一のトラブルや事故に備え、瑕疵保険に加入している業者を選ぶことも大切です。きちんとした業者であれば、近隣の敷地を借りなければならない場合、住民に挨拶をしたり協力要請をしたりしてくれるはずです。必要な対応がなされていないと、思わぬトラブルに発展する恐れがあります。
足場を組み立てる際は、費用ばかりに気を取られず、「信頼できる業者か?」「分かりやすい見積もりを提示しているか?」という点もしっかりチェックすべきでしょう。戸建て住宅で足場の設置を検討されている方は、ぜひ成心仮設にご相談ください。
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