外壁にはモルタルやセメントなどの湿式工法と、サイディングなどの乾式工法の2種類があります。後者の乾式工法において現在比較的人気となっているのが、「金属サイディング」です。建物の外壁に金属を用いるのは、家のあたたかみを重視する方にとっては少し躊躇してしまうところがあるかもしれません。しかし金属製の外壁材には、メリットも多くあります。
今回は金属製の外壁材について、主な種類とそれぞれの特徴・メリットを解説していきましょう。
金属製の外壁材は基本的に、「金属系サイディング」が該当します。
金属系サイディングは名前のとおり金属を原材料とし、「サイディングボード」という形式となっているのです。サイディングボードというのはまずあらかじめデザインを決め、そのとおりに工場で既製品の金属板を切り出しておきます。そして現場に運び込んで、張りあわせるといった手順で施工していくものです。
たとえば昔よく施工されていた金属サイディングの素材として、「トタン」があります。トタンといえば1980年代以前の金属サイディングは、ほぼこれのみといってよいくらい広く一般に普及していた素材です。物置や倉庫などによく用いられているイメージがある方も、多いことでしょう。
トタンのメリットはなんといっても、「価格が安い」ことです。そのぶん安っぽくみえてしまうデメリットは否めませんが、施工費用の安さは群を抜いています。そして「耐震性が高い」ことも、メリットとしてよくあげられます。トタンは外壁材としては薄く軽めな部類に入るので、家自体に負担があまりかからないぶん、耐震性にも優れているのです。
トタンの耐用年数は15年~20年程度といわれていますが、しっかりとメンテナンスすれば20年以上保持することも不可能ではありません。長持ちさせるためには、とくにメッキ部分がなるべく劣化しないよう、定期的にメンテナンスを重ねる必要があります。
現在スタイリッシュな外見から人気が高まっているのが、「ガルバリウム鋼板」で作られた金属サイディングです。
「鋼板」とは鉄をベースにした合金の板のことで、鉄合金の板にメッキを施しているのがガルバリウム鋼板となります。鉄合金に施すメッキ部分はアルミニウムが55%、亜鉛43.4%・ケイ素(シリコン)1.6%と、メッキ部分も合金となっています。
ガルバリウム鋼板の主なメリットはその錆びにくさと耐久性の高さですが、これは上記のようなメッキを施していることによるものです。トタンは亜鉛のみのメッキなので、そのぶん耐久性が落ちます。そして鉄をベースにした合金と聞くと重そうですが、ガルバリウム鋼板は非常に軽い素材です。そのため家そのものに負担をかけない、優れた素材としても知られています。
またトタンに比べると耐用年数も長く、目安としては20年~30年、しっかりメンテナンスしていれば30年~35年近くにもなるといいます。デメリットがあるとすれば、そのメンテナンスの手間です。ガルバリウム鋼板はデリケートな素材になりますので、定期的なメンテナンスが求められ、そのぶんランニングコストがかかってしまいます。
「エスジーエル鋼板」という金属素材は、先述のガルバリウム鋼板に対してさらなる加工を施し、強度・耐久性を大きく高めた新しい外壁材として注目を集めているものです。
違いとしては従来のガルバリウム鋼板に対して、2%のマグネシウムを加えています。マグネシウムを加えることによって、メッキに用いられている亜鉛の消耗を抑える効果が生まれます。わずかな違いにみえますがこうした効果があることによって、なんと従来のガルバリウム鋼板に比べて耐食性が3倍以上と、飛躍的に伸びるのです。
そのため次世代の金属サイディングとして大きな注目を集めているエスジーエル鋼板ですが、耐用年数は30年~40年となっています。日本の一般的な家屋の寿命は鉄骨構造で30年~60年といわれているため、まったく外壁の張替えなく家を保てる可能性もあるほどの耐久性を誇っているのです。
最後に「アルミサイディング」を紹介しましょう。
アルミニウムはボーキサイトという鉱物を原料とする金属で、その軽さ・頑丈さは群を抜いており、家の外壁のみならずさまざまな商品に用いられています。アルミを外壁材として用いているアルミサイディングの場合、そのメリットは非常に多くなっています。
まずは軽さと錆びにくさがあげられるでしょう。これは一般的なアルミ缶などをみていると、よくわかるのではないでしょうか。アルミ缶が錆びているのは、余程悪い環境に置いていない限りはめったにみられないものです。ほかの金属素材でも説明しましたが、軽さは家に負担をかけず耐震性が高くなります。
アルミサイディングのメリットは、それだけではありません。物理的な強度としての耐久性も高く破損しにくいうえに、優れた防水性ももっています。また一般的に金属サイディングのデメリットとしてあげられがちな、断熱性能や防音性能についてもしっかりカバーしているのです。そしてなによりアルミは見栄えがよく加工がしやすいので、デザイン性にも優れています。そういったアルミサイディングの耐用年数は35年~40年と、エスジーエル鋼板よりも長くなっています。
今回は金属製の外壁材、金属サイディングの素材の主な種類とその特徴・メリットについて解説しました。金属サイディングならではの軽さと扱いやすさ、頑丈さにも素材によって大きな差が生まれることがよく理解いただけたことでしょう。
埼玉・東京・神奈川エリアで足場工事・塗装工事を請け負っております「株式会社成心仮設」では、金属サイディングを用いた外壁施工や、外壁塗装施工も行えます。もとは足場工事が中心であった会社のため、足場組み・足場撤去の作業も迅速かつ安全に行えるのです。より頑丈で耐久性に優れた外壁に変えたいと思った方は、ぜひともお気軽に弊社までご相談ください。
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