外壁塗装において最終的な外壁の耐久性や見栄えを決定づけるのは、表面に塗り重ねる「塗料」といって間違いありません。塗料には種類によって、さまざまな特徴があります。なかでも「ウレタン塗料」は比較的扱いやすく安価なのでポピュラーな塗料であり、メリットも多くあります。
今回はウレタン系塗料とはなにか、特徴やメリット・使用する際の注意点も含めて解説していきましょう。
「ウレタン系塗料」とは、外壁塗装において用いられる塗料の一種です。塗料の原料となるのは合成樹脂ですが、その合成樹脂に関して文字どおり「ウレタン」系のものが用いられている塗料を指します。ウレタンといえば合成ゴムや断熱材に用いられるイメージがあるという方も、多いのではないでしょうか。
かつて最も一般的に用いられていた外壁塗装用の塗料のひとつで、さらに前の時代によく用いられていた「アクリル系塗料」に比べると耐久性が高く、光沢のきいた美しい仕上がりになる塗料です。しかしランクとしては下から2番目でもあって、そのほかの塗料に比べれば寿命が短く耐久性も低いので、近年ではあまり用いられることはなくなりました。
外壁塗装のランクを決めているのは、耐用年数の長さ(耐久性の高さ)と、長い目でみた場合のコストパフォーマンスの高さです。
ウレタン系塗料の場合そうした面では現在主流となっている「シリコン系塗料」や、高価かつ高耐久性で知られる「フッ素系塗料」に比べると、性能は低いといわざるを得ません。ウレタン系塗料の耐用年数の目安はおおよそ5年~7年と非常に短く、耐久性の面で心もとないという側面は否めないのです。
またウレタン系塗料は1平方メートルあたり1,800円~2,000円と、比較的安価ではあります。しかし数十年も家を維持していく場合には塗り替えの頻度が多くなってしまうぶん、コストパフォーマンスもあまりよろしくありません。
そのため今では主流ではなくなってしまったウレタン系塗料ではありますが、メリットもあります。とくに樹脂がやわらかく吸着性が高いことは、塗装にとって大きな利点となります。また比較的安価である割には、防汚性や施工時の扱いやすさに優れているので、今でもウレタン系塗料を好んで用いる職人さんも少なからずいるのです。
さて、主流でこそなくなったウレタン系塗料ではありますが、条件次第では今でもウレタン系塗料を選ぶべき場合も存在します。
とくに付帯部への塗装には、ウレタン系塗料が最適といわれています。付帯部とは、雨樋・雨戸・幕板・戸袋・笠木など、主要な外壁部や屋根部に付帯する部分的な場所のことです。基本的に塗装面積が細いあるいは細かく狭い場合の多い付帯部への塗装施工に関しては、塗膜がやわらかく吸着性の高いウレタン系塗料が最適です。
ウレタン系塗料は硬化剤の種類を変えたり混ぜる割合を変えたりすることで、さまざまな場所への塗装が可能になる柔軟性をもっています。この柔軟性こそが、ウレタン系塗料の最大のメリットといってよいでしょう。
そしてウレタン系塗料は弾性といって、伸び縮みする特性をもっています。モルタル壁やコンクリート壁などひび割れが起きやすい外壁材に塗装すれば、その弾性によって塗膜が長持ちすることも大きなメリットです。
ここまで書いてきたようにメリット・デメリットの双方がある塗料ですが、扱う際の注意点はどういったところにあるのでしょうか。
ウレタン系塗料はさきほど防汚性が高いと書きましたが、シリコン系塗料よりは防汚性能は低くなってしまいます。価格こそウレタン系塗料のほうが安価ですが、長い目でみたときに耐久性の低いウレタン系塗料を使うよりも、シリコン系塗料を使ったほうが塗り替えの頻度が低いぶんコストパフォーマンスは高くなるのです。そのためシリコン系塗料が使うのに不都合がないのなら、シリコン系塗料にしたほうが長期的にはお得になります。
そしてウレタン系塗料は、近年需要が低いぶん扱いに慣れていない業者も多く、慣れていない業者だととくに硬化剤の取り扱いにおいて失敗しやすいことが、要注意ポイントです。さらにいえばウレタン系塗料は紫外線の影響を受けやすいことにも注意が必要です。とくに変色をしやすく、そのぶん劣化も早くなってしまいます。
今回はウレタン系塗料の特徴やメリットや相性のよい条件、扱う際の注意点などを解説しました。現在は主流ではなくなってしまいデメリットも多い塗料ではありますが、とくに付帯部への塗装やひび割れを防ぎたい場合など、特定のケースにおいては今でも十分実用性の高い塗料といえるでしょう。
埼玉・東京・神奈川の「株式会社成心仮設」では、足場工事が専門であったことを活かした安心安全な塗装工事をお約束します。通常の建設工事だけでなく、外壁塗装においても足場組みは大切です。迅速かつ確実な質の高い足場工事と、塗装工事技術を組みあわせることで、近隣住民へのリスクも最小限に抑えられます。
ウレタン系塗料での外壁塗装を検討されている方は、ぜひ一度弊社までお気軽にお問い合わせください。
©2023 SEISHIN KASETSU inc.